Editor's Museum「小宮山量平の編集室」

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対談集刊行

 窪島誠一郎さん・松本猛さんの対談集刊行

 地方の視点から「日本」語り合う          2015.7.5 信濃毎日新聞 地域覧掲載
  -上田などで活動 小宮山量平さん次男が編集―

 「信濃デッサン館」「無言館」(ともに上田市)館主の窪島誠一郎さん(73)と、「安曇野ちひろ 美術館(北安曇郡松川村)常任顧問で美術評論家・作家の松本猛さん(64)による対談集『窪島誠一郎・松本猛ホンネ対談<ふるさと>って、なに?』が刊行された。上田市の編集者兼作家、故小宮山量平さんの次男民人さん(51)=東京都=が編集を手掛けた。小宮山さんの世代から学ぶことを土台に、地方や文化の視点から日本の現状や将来について語りあった。
      
 昨年春、「小宮山量平の名を引き継ぐような編集活動を探りたい」と独立を考えていた民人さんに、松本さんが「窪島さんと対談するから、本作りを手伝ってほしい」と声を掛けたのがきっかけ。昨年6月、小宮山さんの遺志を継いだ講座「私の大学」が上田市であり、初めて対談した。
 同年7月は松本市で、松本さんが塾長を務める「信州自遊塾」で話した。東京でも一度対談し、民人さんと新日本出版社(東京)の編集者が5部構成にまとめた。
 窪島さんと松本さんは、ともに東京から信州に来て美術館を設立した。窪島さんの父は作家の故水上勉さん、松本さんの母は絵本画家の故いわさきちひろさん。親が著名人といった共通点を題材に、第1~4部では美術館が今の社会で果たす役割、水上さんやいわさきさん、小宮山さんの戦争に対する考え方について話し合ったことをまとめた。第5部は、2人が小宮山さんに宛てた「手紙」になっている。
 民人さんは、小宮山さんが創業した理論社で25年間、編集者として子ども向けの本を手掛けた。 昨年4月、上田市の小宮山さんの編集室「エディターズミュージアム」内に、子どもの本の編集室 「きりんの本棚」を設置。理論社の原点である児童詩誌「きりん」から名付けた。今回が、独立して初の仕事になった。
 小宮山さんは生前、就職予備校化した大学ではなく、自分の頭で考える若者を育てる場として「私の大学」の必要性を訴えていた。巻頭あいさつは、小宮山さんの長女・荒井きぬ枝さん(67)が「私の大学」実現への思いを記した。窪島さんは「僕たちは小宮山さんの世代からバトンタッチされたけれど、受け渡す先に誰の手もない」と感じているという。
 松本さんは「経済優先ではなく、自然とともに人間らしく生きる、お金に換算できない地方の豊かさについて考えるきっかけになればいい」、民人さんは「『私の大学』を引き継ぐ最初のステップになった」と話している。
 四六判、192P、税抜き1600円。エディターズミュージアムや県内の書店で購入できる。