Editor's Museum「小宮山量平の編集室」

日々のできごとと思いを伝えます。

2017-01-01から1年間の記事一覧

父の言葉をいま・・・その118

1977年の12月25日、クリスマスのその日にチャップリンは亡くなりました。 「笑いと涙の芸術家・チャップリン」(少国民の偉人物語文庫、1958年岩崎書店刊)を書いた父は、新聞等の追悼記事をくまなく切り抜いて、スクラップブックにおさめていました。 大き…

父の言葉をいま・・・その117

モンテーニュの像の前に立ったのは、パリに着いて二日目のことでした。 この十六世紀のモラリストが、今の世を見たならば悶死するに違いなかろう。(中略) 「寛容」という最高の人間の知恵こそが、当今の文明社会から失われているのだ。 父が “今の世” と記…

サンポミューゼ

サントミューゼ(上田市交流文化芸術センター・上田市立美術館)が定期的に刊行している「SANPOMYUZE」(サンポミューゼ)という冊子。 そのvol.5に拙文を載せていただきました。 COLUMN de SANPO 「この街が “本のふるさと” になれたらいいね」──。 父の言…

父の言葉をいま・・・その116

パリの学生街が好きです。“カルティエ・ラタン” ───。 父は著書、『映画(シネマ)は《私の大学》でした』の第二章の文を “東京の羅甸区(カルティエ・ラタン)神保町” と題しています。 カルティエは「地区」、ラタンは「ラテン語」。「ラテン語を話す(=…

父の言葉をいま・・・その115

思いがけず今朝、山田洋次監督が来て下さいました。 「若菜館」の鰻を楽しみにされていて、朝食を軽くなさったとのこと・・・・・・。 鰻を召し上がってからミュージアムへ───。 監督が最後に父と会ってくださったのは、2011年の11月。「うえだ城下町映画祭」のゲ…

父の言葉をいま・・・その114

神田神保町の交差点近くの “ブックハウスカフェ”で催されていた「理論社の70周年記念展」に行ってきました。 お茶の水駅から坂を下って駿河台下へ、それから靖国通りを九段方面に向かって・・・・・・。 この街で13年間、父と暮らしました。学生時代を過ごし、やが…

父の言葉をいま・・・その113

イヴ・モンタンについて書いた翌々日のことです。 「コメディアンの誕生───越路吹雪ドラマチックリサイタルを聴いた夜のノオト──」と題された父の文章を見付けました。 さわやかな充足感がつづいている。 その幸せな思いが、また私にノオトを綴らせるのだ。 …

父の言葉をいま・・・その112

古い“シャンソン”が好きです。 何故パリへ──? そのもう一つの理由が “シャンソン” かもしれません。 エディット・ピアフ、イヴ・モンタン、シャルル・アズナヴール、グレコ・・・・・。人生を静かに語りかけてくるような “シャンソン”が好きです。 「イヴ・モン…

父の言葉をいま・・・その111

教師と生徒とは、どう向き合っているのか・・・・・。 叱責ではなく、明らかに教師からの “いじめ” が原因で自らの命を絶ってしまった少年の心の痛みが、私の心に突きささったままです。 教育とは─────。 『私の大学』のシリーズ(1957年理論社刊)の巻頭に父がか…

理論社70周年記念展

理論社創立70年記念展のお知らせ理論社の創立70周年と国土社創立80周年を記念して下記日程で記念展覧会が開かれます◇ 日時:2017年11月3日(金)~11月13日(月)◇ 場所:子どもの本の専門店 ブックハウスカフェ カフェギャラリー 東京都千代田区神田神保町2…

父の言葉をいま・・・その110

十二月にはまたパリを訪れる予定です。十九回目のパリ。 何故パリへ───? 私をひきつけるものの一つが “エコール・ド・パリ” です。二十世紀の初頭、パリに集まった若き芸術家たち。 パリを訪れるたびに、モンパルナスのヴァヴァンの交差点にあるカフェ “Le …

生涯楽習公開講座

上田自由塾 公開講座のお知らせ 最新画像で見る「わからない国」ロシアの昔と今 「ロシアよもやま話」番外編講座内容:国際交流熱が高まる中、あの国にも少しだけ目を向けてみませんか。講師:小宮山 俊平◇ 日時:10月28日(土) 2:00~4:00◇ 場所:エデ…

父の言葉をいま・・・その109

8月13日に放映されたBS11の番組 “心に種を蒔いた男” の収録中に問われたのは、何故 父が子どもの本づくりへと向かったか、ということについてでした。 「小諸市民大学」での講演(9月22日)では、そのことを私自身がしっかりと受け止めた上でお話させていた…

父の言葉をいま・・・その108

仕事が休みの日、車で上田の街の中心を通り抜けることがあります。昨日もそうでした。 通りぬけるたびに思うのです。 何てさみしい街になってしまったんだろう・・・・・。 2009年の8月から「週刊上田」に連載していた父のエッセイが遺されています。 『ふるさと…

父の言葉をいま・・・その107

9月22日の夜、「小諸市民大学」で拙い講演をさせていただきました。 テーマは“父から託されたことを”。 小諸に疎開されていた永六輔さんと父との交流についても話させていただきました。 憲法を守るために、永さんが大切だと言っていらした「憲法99条」。 憲…

歌うキネマ「人間であるために」

お知らせ 今年の「うの花忌」にかけつけてくださった趙博さんが、10月29日、再び上田へ。 そのお知らせです。浪花の歌う巨人、パギやん(趙博) 映画を丸ごと一本、歌い語る一人芝居 歌うキネマ「人間であるために」~今、改めて問う・・・戦争とは何か、原水爆…

父の言葉をいま・・・その106

“Jアラート”なるものは、確実に恐怖心をあおったと思います。 「やっぱり安倍さんに守ってもらわなければ」───。 風がなんとなくそちらの方向に吹いていきます。 この機に乗じての解散・総選挙。その思惑に腹がたつのです。 こんな父の文章に出会いました。…

父の言葉をいま・・・その105

北朝鮮のミサイルの避難訓練の様子をテレビで見ながら、信濃毎日新聞の主筆でいらした桐生悠々さんの社説「関東防空大演習を嗤う」がしきりに思われてなりませんでした。 悠々さんはこの文章で軍部の怒りを買い、新聞界を追われることとなります。 毎日新聞…

父の言葉をいま・・・その104

奈良の西大寺で「善財童子」と出会ってから『兎の眼』が心から離れません。 灰谷さんのエッセイの中に、こんな一文を見つけました。「たたかう子どもたち」 わたしはかって、子どもたちの美しい眼がうつくしいのではなく、美しい眼をもつための子どもたちの…

父の言葉をいま・・・その103

つかの間の夏休みに奈良を訪れました。 平城京跡を右手に見ながらたどりついた西大寺。 (前略) 本堂の中は夏でもひんやりしている。ここは素足にかぎる。小谷先生はソックスをぬいで、その冷気にふれた。そして、まっすぐに堂の左手の方に歩いていった。そ…

父の言葉をいま・・・その102

『わたしが子どものころ戦争があった─児童文学者が語る現代史─』(2015年8月理論社刊) この本を手にした時、私は同じような題名の、私にとってとても大切な一冊の本のことを思い浮かべました。 『子どものころ戦争があった─児童文学作家と画家が語る戦争体…

父の言葉をいま・・・その101

この7月、乙骨淑子さんの『ピラミッド帽子よ、さようなら』が“理論社70周年記念新装版” として刊行されました。 映画『君の名は。』の監督新海誠さんの解説文に引きつけられました。 作者の死による、未完の物語。 そういう本は、世の中にどれほどあるものな…

父の言葉をいま・・・その100

長野市の演劇ユニット「thee(シー)」の朗読編第二回公演『父と暮らせば』が8月5日に上田の文化施設「犀の角」で上演されます。 私はアフタートークに参加させていただきます。『父と暮らせば』は井上ひさしさんが遺された戯曲です。主人公“美津江”のセリフ…

父の言葉をいま・・・その99

きょうは土用の入りです。 今年の丑の日は7月25日、二の丑が8月2日です。120年前、上田駅前に創業した鰻屋「若菜館」は父の長姉“喜久姉さ”の嫁ぎ先であり、生家の酒屋の倒産後は、父にとってふるさと上田で唯一“帰れる場所”でした。 “喜久姉さ”は「若菜館」…

thee朗読編第二回公演

「父と暮らせば」 作・井上ひさし ―ヒロシマの上空580メートル。 太陽が、ペカーッ、ペカーッ 2つ浮いとったわけじゃー 出演 萩原 興洋 ミズタ マリ 演出 長峯 亘◇ 日時:2017年8月5日(土) 14:00開演 (13:30開場) 15:30~ アフタートーク ゲスト:…

父の言葉をいま・・・その98

ドイツ文学者で、早稲田大学名誉教授でいらした子安美知子さんが7月2日に亡くなられました。 はじめてお名前を目にしたのは、父の作品『千曲川』への書評でした。 2002年に刊行された『千曲川』第四部―青春新生まで、全四冊に寄せての書評を、父はとても大切…

父の言葉をいま・・・その97

朝日新聞に連載されている“問う「共謀罪」”の6月28日付の記事を読みました。 「治安維持法で検挙、学者の裁判記録」―長女「歴史繰り返すのか」──── “学者”というのは、フランス文学者で『広辞苑』の編集・改訂にあたられた新村猛さん(1905~1992)のことで…

父の言葉をいま・・・その96

「沖縄慰霊の日」─── 何度もくり返し読んだ『太陽の子』(灰谷健次郎著、1978年理論社刊)の一節がしきりに思い 出されます。 キヨシ少年をかばって立ち上がったろくさんのことばです(以下本文より) 「あんたたちには、この子のかなしみがわからんのか。沖…

父の言葉をいま・・・その95

大熊信行先生の「国家悪」について、さらに父の言葉を探しました。 “いざとなれば国家などというものは、そこまで人間を非人間化するのだ” 先週の父の言葉に、強行採決された「共謀罪」法案が重なります。 人が人を監視する社会、人が人を告発する社会────。…

父の言葉をいま・・・その94

昭和十二年、東京商科大学(現一橋大学)の学生だった父は、友人二人とともに“全国高商文化連合会”結成を目指して、その呼びかけのための旅に出ます。 (『千曲川』第二部より) その旅で高岡高等商業学校(現富山大学経済学部)へ赴き、先輩でもある大熊信行…